みなさんこんにちは!AKIRAです。
突然ですが皆さんはアメリカのNCAAのカレッジバスケボールを見たことがありますか?
もしくは聞いたことがありますか?
もしかしたらNCAAのバスケットボールトーナメント。あるいはMarch Madness(マーチマッドネス)と言ったら、聞いたことある方もいるかもしれません。

日本ではよく、高校野球の甲子園と引き合いに出される、全米で一番大きいアマチュアのスポーツトーナメントです。
アメリカのDivision-1(1部リーグ)に所属する各チームが、11月から3月までにカンファレンス内のリーグ戦を行い、そのリーグで好成績を収めた68チームが、出場することができるバスケットボールのトーナメントです。
AKIRAは今までカレッジ女子サッカーと野球チームを任されてきましたが、今年(2018-2019年シーズン)のDivision-1のバスケチームで、アスレチックトレーナーとして働くことになりました
今までアメフト、野球、女子サッカー、女子バスケチームでは働いたことありましたが、男子バスケは初めてです。
カレッジバスケボールの事は知ってるし、3月のトーナメントも見たことあるよって人でも、実際にどのようなスケジュールでチームが動いているかなど、知らない人も多いと思います。
今日のこのブログで、少しでもアメリカカレッジバスケボールの雰囲気や環境を知ってもらえたら嬉しいです!
カレッジバスケのホームでの試合日の、トレーナーの一日のスケジュールは以前にも紹介しました↓

今回は遠征の時のチームやトレーナーの一日のスケジュールをご紹介します!
初戦から強豪チームとの試合??

カレッジバスケットボールのシーズンは11月上旬から始まります。
カンファレンス内でのリーグ戦は1月まで始まらないので、初めの2か月はNon-Conferenceゲームとして、普段リーグ戦で当たらないチームと試合をします。
この時に強豪チームがやたら、名前も聞いたことないような規模の小さい大学のチームと試合をします(笑)
みなさんこれ不思議に思いませんか?
強豪チームからしたら、シーズンも始まったばかりだし、軽い調整試合のつもりで臨めますが、格下のチームからしたらわざわざ負ける可能性の高い試合をするようなものです。
なぜ格下のチームはわざわざ負けるリスクを背負ってまで、強豪校との試合をするのでしょう?
もちろんこの試合の模様はテレビで映し出されますし、大差で負けているところを見られたら、今後の選手獲得にも影響が出てくると思いませんか?
実はコレにはからくりがあります。
たいていの場合、強豪校が格下のチームにお金を払って試合をしてもらっているのです!!
強豪校と違い,格下の大学チームはほとんどの場合、資金不足に悩んでいます。
そのため負けるリスクを負ってでも、強豪校との試合をするのです。
実際ケーエーが働いているバスケチームも、強豪校から、遠征にかかるチームの旅費と、それとは別でお金をもらってシーズンの初めに西海岸へ遠征に行きました。
どれくらいのお金が、その強豪校からウチのチームに払われたかは知りませんが、たいていの場合は数百万、多い時は数千万円になることもあります。
これはバスケだけではなく他のカレッジスポーツ(アメフト、バレー、女子バスケ、野球)などでもあることです。
強豪校との遠征になぜか同行する見知らぬ人たちw

今回の西海岸の遠征は、飛行機を使った5日間の遠征で、2つの強豪校と試合をするということでした。
朝6時にチームの集合場所に行くと、一組の老夫婦と、一組のゴルフバッグを下げたアメリカ人のおっちゃん達がいました……
こいつら誰やねん(笑)
と思ってしまったことは言うまでもありませんw
チームのスタッフでもなければ、コーチの家族でもない。本当に知らない人たちです(笑)
でもコーチたちと普通にしゃべってるし、何ならコーチ達がその人たちに気を遣っている節さえあります。
よくよく聞いてみたら、彼らはオークションで今回の遠征に帯同する権利を買ったそうです!
大学スポーツチームのオークション

ここでアメリカの大学スポーツチームのシステムを軽く説明します。
大学のスポーツチームは、その大学のAthletics(運動部)というデパートメントに属しています。
一般的の企業で、営業部や人事部と言う括りがあるように、アメリカの大学内でもそれぞれあるのです。
そして各スポーツチームはそのAthleticsデパートメントから、一年にチームとして使えるお金を支給されます。
でも本当にチームを強くしようとしたら、それだけでは足りません。
そこで各チームFund Raising(資金集め・募金)を実施して、自前でお金を集めるのです。
そのFund Raisingの中でも、最もポピュラーなものがオークションです。
大体シーズンが始まる数か月前に、市内にある、ホテルのような場所を借りて、ディナーも兼ねて行われます。
そのオークションで出される品は様々です。
プロスポーツチームのスイートルーム観戦チケットがあれば、Athleticsのスポンサーをしている団体の車(ウチは地元のフォードがスポンサー)であったり、観光が有名な地域にある大学であれば、そこのホテルの宿泊券であったりします。
その商品の中の一つとして、うちのチームの遠征に帯同できる権利が、商品としてオークションにかけられていたのです(笑)
なんという発想w
でも冷静に考えて、みなさんもプロ、もしくはセミプロのスポーツチームが試合までにどういうプロセスを踏んでいるのか、どういうところに泊っているのか?どういう食事をしているか?気になりませんか?
この遠征に帯同できる権利をオークションで落札すれば、上記の疑問がすべて解決するのです(笑)
いかにもアメリカらしい発想と言うかw スポーツビジネスが進んでいる国の考え方です。
初めに申し上げたように、この遠征の費用は相手の強豪校チーム持ちなので、オークションで落札されたお金はそのままチームの資金に充てられます。
前に働いていた野球チームや女子バスケチームでは、日帰りの強豪校との遠征に、権利を落札した人がついてくることはありましたが、今回のように5日間にわたる、飛行機での遠征に、チームの関係者でない人たちが帯同するのは初めてでした。
日本でもチームに帯同できる権利を売れないか?

日本ではアメリカに比べてスポーツビジネスが遅れていると言われています。
今回のような、スポーツチームの遠征に、帯同できる権利を、オークションにかけるというのも、日本ではまずないと思います。
今回の遠征を通じて、ケーエーはこれをなんとか日本でもできないかなと、考えてしまいます。
プロチームは無理にしても、独立リーグやセミプロレベル、もしくは投げ銭(ギフティング)プラットフォームを作っているエンゲートと提携しているスポーツチームで、できないでしょうか?
今回この遠征に帯同している老夫婦も、今まであまりバスケの試合を見てこなかった人たちです。
でも遠征先が西海岸の暖かい所、そしてチームのミーティングや練習がどのように行われてるか見たい、ということもあり落札したそうです。
日本でもサッカー、バスケ、野球などチームに帯同して、雰囲気を味わってみたいという人はいると思います。
リーグ戦とは言いませんが、せめてオープン戦など、シーズンにそこまでの影響がない時期に、日本のスポーツチームは、チームに帯同する権利を販売してみてはいかがでしょうか?
いざ西海岸へ向けて出発!

選手、コーチ、裏方スタッフ、そして見知らぬ一般の人を乗せて、チームのバスは空港に向けて出発です!
この記事にすべてをまとめようと思いましたが、既にかなり長くなってしまったので、急遽この記事を前編とします(笑)
でもこのブログでカレッジバスケの試合の遠征の濃さを、既に体感してもらえたのではないでしょうか?
なんせ3000文字超えてますが、いまだに出発していませんから(笑)
これは5日という長い遠征のほんの序章にすぎません。
この遠征の続きは近日中にアップしますのでお楽しみに!
最後に一言:
オークションといえば、エンゼルスの大谷選手と、試合前に交流できる券がオークションに出されて、日本円で約180万円ほどで落札されたそうです⁉日本ではオークションというと、モノを買うというイメージですが、サービスや体験を売るというのも、今後増えてくるかもしれません!