みなさんこんにちは!AKIRAです。
前にこのブログでIsometric(アイソメトリック)トレーニングとはなんぞやという事について書きました。

今回はこのアイソメトリックトレーニングと対になって語られることが多い、Isotonic(アイソトニック)トレーニングを解説して、比較します!
それでは見ていきましょう!
目次
Isotonic Trainingとは?
まずは英語の文字から意味を読み取ってみましょう。
Isoというのは「同じ、イコール」という意味を持っています。そしてTonicには色々な意味があります。トニックウォーターと呼ばれる「炭酸飲料」から、「トニックシャンプー」などです。しかしここでの意味は「緊張性」という意味です。
この二つの意味を組み合わせると「等張性」という言葉になります。
Isotonic training: アイソトニックトレーニング; 等張性トレーニング; 等張力性トレーニング
Isometricは「等尺性」つまり筋肉の長さは変わらないという意味でした。Isotonicは「等張性」筋肉の緊張(テンション)は同じという事になります。
アイソメトリックトレーニングと違い、ダイナミックな動き、関節がしっかりと動くエクササイズという事がわかります。
皆さんが筋トレと言われて頭に思い浮かべるのが、まさにこのアイソトニックトレーニングです。

アイソトニックトレーニングは大きく二つのフェーズに分けられます!
コンセントリックとエキセントリック
Concentric contraction: 短縮性収縮
「短縮性収縮」文字通り筋肉を短く収縮させて、筋肉の長さを縮めて行うのがコンセントリックコントラクション。ダンベルカールでいえばダンベルを持ち上げる動きがこれに当たります

エキセントリックコントラクションは筋肉が伸びているときにおこる収縮です。
Ecentric contraction: 伸張性収縮
出典: Weblio英和・和英辞典
ダンベルカールの例でいえば、持ち上げたダンベルを下げる動作、曲げた肘を伸ばす動作がこれに当たります。
日本語の「短縮」と「伸張」という言葉だけ見ると、関節を曲げて距離を縮めるときがコンセントリックコントラクション、関節を伸ばして距離を広げるときがエキセントリックコントラクションと思いがちですが、実際はそんな単純ではありません。
例えばスクワットで膝を曲げて腰を落とす動きは、エキセントリックコントラクションで、しゃがんだところから立ち上がる動きがコンセントリックコントラクションです。

ベンチプレスでは肘を曲げてバーベルを下す動きがエキセントリックコントラクションで

肘を伸ばしてバーベルを上げる動きがコンセントリックコントラクションです。

ダンベルカールでは、関節を曲げた時がコンセントリックコントラクション。でもベンチプレスとスクワットでは関節を伸ばしたとき。
ややこしいですね(;・∀・)
日本語の意味にとらわれてしまうと判別が難しいです。しかしあることに着目すれば簡単に見分ける事ができます!
コンセントリックとエキセントリックの見分け方
結論から先に言うとズバリ…
「その動きが重力に逆らっているか否か」
ということです!
重力と同じ方向(下)に動く=エキセントリックコントラクション
重力と反対方向(上)に動く=コンセントリックコントラクション
言葉だけ聞くとわかりずらいかもしれません。
先に挙げた例でみてみましょう。
まずはダンベルカール
ダンベルカールで腕を下げる=重力方向(下)にダンベルを下ろしているのでエキセントリックコントラクション。
ダンベルカールで腕を上げる=重力方向と反対(上)にダンベル上げているのでコンセントリックコントラクション
そしてスクワットでは
立った状態からしゃがむ=重力方向(下)に体を沈ませているのでエキセントリックコントラクション。
しゃがんだ状態から立ち上がる=重力方向と反対(上)に動いているのでコンセントリックコントラクション
ということになります。
コンセントリックコントラクションとエキセントリックコントラクションの見分け方はわかったけど、だから何?と思う人もいるかもしれません。
実はこの二つの違いを知る事は、身体を鍛える上でも、怪我を予防する意味でも、とても大切なのです。次の項でくわしく説明します
コンセントリックとエキセントリックの使い分け

皆さんはどちらだと思いますか?
重力に逆らって動くコンセントリックコントラクションの方が、負担が大きそうに思えますが、実際は重力と同じ方向に動くエキセントリックコントラクションの方です!
意外ですか?
実はエキセントリックコントラクションの時は、コンセントリックコントラクションの時に比べて、使われる筋繊維が少ないのです。エキセントリックコントラクションでは、コンセントリックコントラクションの約半分の筋繊維で負荷を支えようとします。
つまりエキセントリックコントラクションでは、一つ一つの筋繊維に、より負担がかかるのです。そのため筋肉の軽い損傷が起こり、それに耐えうるための筋肥大が起こるのです。
少しでも筋トレをかじったことがある方なら、重りを上げるときより、下げるときに意識的にゆっくり下げるとか、「ネガティブ」といったワードを聞いたことがあるかもしれません。
これはエキセントリックコントラクションを意識して、筋肥大や筋力アップの効果を狙うためのものです。
筋トレのカギとなるはエキセントリックコントラクション
怪我との関係性

重力方向と同じ向きに動くエキセントリックコントラクションは、より筋肉や身体に負担がかかるという事がわかれば、自然と筋挫傷やじん帯断裂のメカニズムもわかってきます。
スポーツの世界で起こる怪我の殆どが、エキセントリックコントラクションのフェーズに起きるのです。
ジャンプを例にすると、床に足がついた状態から上、もしくは前にジャンプするとき特には何も問題はありません。問題はジャンプして、着地するとき。つまりエキセントリックコントラクションフェーズです。膝のじん帯や足首の捻挫もだいたいここで起こります。
また走っているときの太腿や、太ももの裏のハムストリングの肉離れも、足をけり上げた時ではなく、足を着地するときに起こる事がほとんどです。
スポーツの世界ではこのエキセントリックコントラクションのフェーズを、ディセレレーション(減速)と言ったりします。
スポーツの怪我の大半は、このディセレレーションの動きの中で起こるという事は、自然と怪我の予防方法も見えてきませんか?
つまり普段のトレーニングに、ディセレレーションのテクニックを意識したものを取り入れればいいのです。
また怪我から復帰する過程のリハビリでも、まずは徹底帝にディセレレーションの正しいやり方を教える所から始めます。
走っている状態から、止まる、減速してターンをする、少し床よりも高い所から飛び降りて着地するなどです。
このように身体の筋肉の使われ方や鍛え方、怪我のメカニズムがわかれば自然とやらなければいけないことが見えてきます!
アイソメトリックトレーニングとアイソトニックトレーニングの違い

アイソメトリックトレーニングとアイソトニックトレーニングを比較してみましょう。
- 筋肉の長さを変えないため、筋挫傷や肉離れの可能性を最小限に抑えれる
- 脳から筋肉の収縮に信号を送る神経を活性化できる
- 自体重のみでも可能
- 広い場所や筋トレ器具がなくても可能
アイソトニックトレーニングの特徴は以下です。
- 関節を動かすダイナミックな動きで筋力向上・筋肥大が狙える
- 関節を動かして行うので、動き(Movement)のトレーニングにもなる
- 自体重でも可能だが、アイソトニックの特徴を最大限に活かすならば、ダンベルやケトルベル、バーベルなどのウェイトを使うのがベター
- エキセントリックコントラクション、ディセレレーションを意識して行えば、怪我の予防にも繋がる
筋トレの目的ごとのアイソメトリックトレーニングとアイソトニックトレーニングの特性を表にまとめました。
筋肥大
アイソメトリックXアイソトニック〇
安全性
アイソメトリック〇 アイソトニックX
消費カロリー
アイソメトリックXアイソトニック〇
道具や器具の必要性
アイソメトリック〇 アイソトニック△
筋肥大や筋力アップには、関節を動かしてダイナミックに行う、アイソトニックトレーニングが勝ります。
しかしながら、怪我を考慮した安全性でいうと、アイソメトリックの方がアイソトニックトレーニングより安全ではあります。怪我からの復帰明けや、筋トレに慣れていない初心者は、はじめはアイソメトリックトレーニングが多めの、トレーニングプログラムを組むと良いでしょう。
またアイソトニックトレーニングの方が関節を動かすため、消費するカロリー量は上がります。
ただアイソトニックトレーニングは、筋トレ器具やジムなどの設備が必要です。その点アイソメトリックなら道具がなくてもできます。もちろんアイソトニックでも、腕立てやスクワットなど自体重で可能ですが、最大限の効果を得たいならバーベルやダンベル、ケトルベルがいるという事で△にしました。
アイソメトリックトレーニングと、アイソトニックトレーニングそれぞれの特性を理解して、目的に合わせてうまく使い分けたり、アイソトニックトレーニング中心にして、そしてその中にアイソメトリックトレーニングも取り入れるなど、工夫して構成すればいいと思います!
まとめ
いかがだったでしょうか?
アイソメトリックトレーニングとアイソトニックトレーニングの特徴、そしてそれぞれの違いを理解いただけたでしょうか?
どちらか一方がより優れているというよりは、特性を理解して、場合に応じて使い分けができて、初めて理解したと言えると思います。
自分の筋トレのレベルに合わせて、アイソメトリックトレーニングとアイソトニックトレーニングをうまく組み合わせてみてください!
最後に一言: 日本の高校野球の甲子園に当たる、アメリカのカレッジバスケボールの全米トーナメントこと、NCAAトーナメントは毎年3月の中旬にアメリカで開催されます。普段バスケを見ない人も、この時は熱中してテレビでバスケ観戦します。日本ではアメリカほどバスケ熱は高くないですが、少子化傾向にあるので、今後5人でできるチームスポーツとして、日本でもバスケが盛り上がると考えています!