皆さんこんにちはAKIRAです!
既にこのブログを何回か、読んでくれている、読者の方ならお分かりだと思いますが、2019年1月からYouTubeとインスタに、ケトルベルを使ったモビリティ・スタビリティエクササイズの動画投稿をはじめました。
モビリティーとスタビリティーという言葉は、近年のスポーツ医療やトレーニング業界で盛んに使われている言葉です。
しかしながら、どのような意味か、一般の方にはあまり知られていないと思います。
という事で今日は、モビリティーとスタビリティーとは何ぞや、というのをこのブログを通して、皆さんに説明出来たらと思います。
モビリティとは?
英語のMobilityの意味を調べると…
可動性、移動性、機動性、流動性
と出てきます。
いくつか意味がありますが、リハビリやトレーニングの際に使われるMobilityは
Mobility=可動性
です。
モビリティの意味が可動性という事はわかりました。では何の可動性なのでしょうか?
身体?筋肉?
実はこの可動性というのは関節の可動性です。
人間の体は様々な関節で成り立っています。そしてそれぞれの関節に、大なり小なり可動性があるのです。
スタビリティとは?
次にStabilityの意味を見てみましょう。
安定、確固、着実、堅忍不抜、(船舶・航空機の)復原力、安定性
とあります。
リハビリやトレーニング業界で使われる意味としては、
Stability=安定性
が一番適切だと思われます。
この安定性も関節の「安定性」のことを指しています。
そしてこの関節のモビリティとスタビリティの機能を理解するうえで大切なのが、
Joint by Joint approach (ジョイントバイジョイントアプローチ)という考え方です。
ジョイントバイジョイントアプローチとは?
この理論はアメリカの理学療法士であるGray Cook氏が提唱したもので、MobilityとStabilityの有無を調べるスクリーニングテスト FMS(Functional Movement Screen)で一躍脚光を浴びました。
難しいことを省いてわかりやすく説明すると、
人間の体はMobility(可動性)がメインの関節と、Stability(安定性)が主体の関節が、交互に連なって構成されているという考え方です。
そしてそれぞれの役割を持った関節が、正しくその機能を果たしたときに、うまく体が動くということです。
逆に言えば、もしその関節の役割が上手く機能しなければ、上手く体が動かない。
つまり他の関節、もしくは体のどこか別のところに負担がかかる、従ってそれを続けていると、怪我や痛みといった症状が現れるという事です。
人間の体の関節は以下のよう連なって構成されています。
身体の中にはいろいろな関節がありますが、
関節は動けばいいというものではなく、
それぞれに役割があります。
〇 モビリティ関節
□ スタビリティ関節
どうですか?可動性と安定性の関節が交互に連なっていることが、お分かりいただけたでしょうか?
人間の体は、この可動性優位の関節と、安定性優位の関節が、上手く重なり合って、スムーズに動くようになっています。
上から
首(頸椎):安定性
上背(胸椎):可動性
肩甲骨(肩甲胸郭関節):安定性
肩(肩甲上腕関節):可動性
肘(肘関節):安定性
手首(手関節):可動性
背中下部(腰椎):安定性
股間(股関節):可動性
膝(膝関節):安定性
足首(足関節):可動性
足の甲(足部):安定性
モビリティ関節とスタビリティ関節がうまく機能しないとは?

では関節が、その役割を果たしていない、という事はどういう事でしょうか?
結論を言ってしまえば、
可動性の役割をするべき関節が、安定性の関節のような役割をしているときです。(またその逆も然りです)
例として、胸椎を挙げたいと思います。
現代社会で暮らす私たちは、長時間座るという行為を矯正させられることが多いです。
仕事、勉強、車の運転などなど、

少しの間ならばいいのですが、オフィスでの仕事、学校での勉強、車の運転など長時間座わらなければならないことが多いです。
はじめは正しい姿勢を保てたとしても、次第に体が丸まって、写真のような猫背の姿勢になる人が多いと思います。
そしてそのままの状態で作業だったり、運転を続けていると、人間の体はその位置で固まってしまい、座っていない時も猫背になったり、体が曲がったりしてしまします。
この猫背の位置にあたる関節が胸椎です。そして胸椎は元来動くべき(可動性)の関節です。しかし猫背の姿勢がデフォルトになってしまうと、胸椎の伸展性は失われ、可動性がなくなっていきます。
胸椎の可動性は失われた…それでも我々は体を動かすことができます。なぜか?
それは胸椎以外の関節が胸椎の可動域を補おうと、一生懸命に動こうとするからです。その頑張ってしまう関節はと言うと……
そう!腰椎です。
元来安定性の関節である腰椎が、胸椎の可動性がないがために、可動性の関節の役割をしなければならないのです。
そしてその状態が長く続けば、当然体にも、腰痛やぎっくり腰といったような、不調が出てくるわけです。
上記はあくまで一例です。
すべてのギックリ腰や腰痛の原因が、胸椎の可動性の無さからくるわけでわありません(^^;
自分の経験から、胸椎の可動性(伸展性)を向上させて、猫背を治すと、腰痛から解放されたというアスリートや一般の方を多くみてきたので、例として使わせてもらいました。
モビリティ・スタビリティエクササイズ

つまり、モビリティとスタビリティの関節がそれぞれその役割をできるように、またはその役割が失われてしまった時に、それを取り戻すのがモビリティ・スタビリティエクササイズとうことです!
更にGray Cook氏は
Mobility first and then Stability
ということを動画やセミナーで盛んに言っています。
つまりモビリティを飛ばして、スタビリティを得る事はできないという事です。
まずは可動性の役割を持つ関節の、モビリティを正常にしてから、スタビリティという順になります。それもありYouTubeチャンネル、AT Roomでは、まずモビリティエクササイズをいくつか紹介した後に、スタビリティエクササイズを紹介しました。
最後にモビリティエクササイズと、スタビリティエクササイズの、AKIRAが思う定義を書いておきます。
モビリティエクササイズに関しては、過去のブログで説明したので、それをそのまま引用します。
モビリティエクササイズとは、関節そのものや、その関節に付随している複数の筋肉をほぐす、もしくは動かすことによって、その関節の可動域を広げたり、関節回りの筋肉を緩ませるエクササイズのことを言います。
ストレッチエクササイズと混同しやすいかもしれませんが、ストレッチは筋肉にフォーカスしており、静的なイメージが多いと思います。
モビリティエクササイズは筋肉というよりは、関節にフォーカスしており、関節の可動域を広げる目的が最初にあって、その過程で、周りの筋肉が緩まるので、ストレッチに近い感覚を感じる人もいるかもしれません。
そしてモビリティエクササイズの多くは静的なものではなく動的(ダイナミック)なものが大半です。
モビリティエクササイズは自分で自分の関節周りを動かすエクササイズでもあります。
AKIRAのスタビリティエクササイズの定義は以下です。
スタビリティとは外部からの負荷(ケトルベルやレジスタンスバンドなど)、もしくは自分の体(自重)や重力からの負荷に対して、関節の可動域の角度を一定に留め、そしてその角度を留めるために、関節回りの小さい筋肉群が使われ、その関節の角度を一定時間キープできることである。
つまりスタビリティエクササイズは上記↑の機能が自然と(無意識)でもできるように、ケトルベルなどの器具(外部からの負荷)を使い、意識的に安定性の役割をもつ関節回りの小さい筋肉を呼び覚まし、スタビリティを向上させるエクササイズです。
まとめ

いかがでしたか?
モビリティとスタビリティの意味やその役割、そしてなぜ重要なのか、理解していただけたでしょうか?
- モビリティ=関節の可動性
- スタビリティ=関節の安定性
- 人間の体は可動性の役割を持った関節と、安定性を持った関節が交互に重なって、構成されている。
- 関節の一つがその関節本来の役割を果たせれないと、他の関節がその分を補おうと動く、もしくは安定してしまう。その結果、痛みやケガといった症状として体に現れる
- モビリティエクササイズ: 関節の可動域を広げたり、関節周りの筋肉を緩ませる
- スタビリティエクササイズ: 関節周りの小さい筋肉群によって、関節の可動域を一定に保つ
モビリティファーストなので、まずは関節のモビリティがあることが大前提ですが、ある程度のモビリティがついたのならば、スタビリティのエクササイズも徐々に取り入れて行けば、バランスの取れた、関節本来の機能を十分に生かした、良いカラダ使いができます!
興味のある方は、ぜひAKIRAのYouTubeチャンネル「AT Room」、もしくはモビリティエクササイズを解説した、ブログ記事を読んでみてください!


最後に一言: 仕事で嫌なことがあったときに、ジムに行くとスッキリするという方がいますが、自分は正直ジムでトレーニング中でもその日にあった嫌な事を、ずっと思い出してしまいます。ただ不思議なのは、そのあと一晩寝て、起きると気分が良くなっていることが多いです(笑)なので、運動をすると嫌なことを忘れるのではなく、運動をして、寝ると、忘れられるのではないかなと思っています!